ごあいさつ
株式会社ローヤルカラー社史発刊にあたり、一言ごあいさつ申しあげます。
この社史を手に取られた方の多くは、今年ローヤルカラーは創立何年なのかとお考えになるかと思います。社史は会社創立からの節目の周年記念に出すのが通例ですが、弊社は今年が創立4 4周年で、節目の年ではありません。
そのような時期にあえて社史を発行するのは、1 5 0年にわたる写真の歴史が、今デジタルカメラの出現で大きな変革を迎えたことにあります。弊社の歴史は、いわゆる銀塩写真の歴史の最後の数十年、とりわけ日本のカラー写真の上げ潮から引き潮までの時代と重なっており、カラーラボの目で見たその年代の記録を社史の形で残そうと決心いたしました。
一方でその時代の資料や証言は、業界でも社内でも、今急速に失われつつあります。弊社の節目の年を待つよりは、思い立ったら少しでも早くと、この年での発行にふみきった次第です。
かえりみますと、写真とはまったく縁がなかった私の父が、いくつかのきっかけから当時は時代の先端の事業だったカラーラボを立ち上げたのは、昭和3 9年、東京オリンピック開催の年でした。以来、目ざましいカラー写真の質、量の拡大と日進月歩の技術革新の一方で、営業上の激しい競争にもさらされながら、弊社が今日あるのはひとえに皆様方の厚いご支援のたまものと、心から感謝いたしております。
デジタルカメラが現われて、ラボという事業の存立が問われている現在、弊社は大きな岐路に立たされております。しかし私どもは将来を悲観してはおりません。映像を記録し発表する写真という媒体がなくなることはありません。デジタル化での写真の技術の多様化の中にこそ、多くのビジネスチャンスがあるものと信じております。
といって私どもは写真だけにこだわるつもりはございません。できることは何でもやるつもりです。業界でも独立独歩を通してきた弊社には、しがらみは何もありません。
皆様方のご支援と多くの先輩方の力の結晶であるローヤルカラーという企業体を、これまでつちかってきた伝統に新たな創造を加えつつ永続させるために、この社史をローヤルカラーの新しい歴史へのスタート台といたす所存です。
この社史をご一読のうえ、ローヤルカラーに皆様方のなお一層のご指導、ご鞭撻をいただければ、私どもの何よりの幸せでございます。
平成2 0年9月吉日
代表取締役社長 澤田 廣